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2006年04月22日

座右の銘を考えよう

[国語授業実践]

 6年生の国語の時間に「座右の銘を考えよう」という授業をしました。
 「座右の銘」と言ってもなかなか子どもたちには分かりづらいです。
 国語辞典で調べてみました。

「座右の銘」:身近において、日常生活のいましめとする格言など(角川必携国語辞典)

『自分たちが普段生活をしている時に、
「あぁ、こうしなくてはだめだよな」などとその言葉を使って自分の考えや行動を見直す時にいつも自分が覚えておいて使うんだよ』
と伝えました。

 はじめは、何のことだろうと考えていた子どもたちも、数人が分かりはじめると、それを例に取り上げることで、みんな理解したようです。

 そこで、自分にとっての「座右の銘」を決めようということになりました。
 思いつきで、ことわざや格言、名言をノートに書いていきます。

 中には、「身から出たさび」と書く子もいて大爆笑!本人もよく意味が分かっていて苦笑いといういう場面もありました。

 いかんせん、教室の中ですぐに決めろというわけには情報不足なので、3つ自分で見つけてノートに書いてこようという宿題としました。

 次の日の時間、自分で決めた座右の銘を色紙に書いてもらいました。
 子どもたちに筆ペンを用意させ、私は色紙を用意してきました。色紙はダイソーで購入したら2枚で100円でした。

 きれいさよりも、とにかく太く、強調する字は大きく書くように指示しました。
 色紙の裏には、その言葉の意味、なぜその言葉を座右の銘にしたのかを書きました。
 右の「ちりも積もれば山となる」の色紙の裏に次のように書かれています。

 ちりも積もれば山となる  ちりも積もれば山となるとなるということわざの意味は、どんなちいさいごみもでもたまっていけば山のように積もるという意味です。  なぜ、この「ちりも積もれば山となる」ということわざにしたかというと、このごろ私はちまちまちまとお金を使ってビーズを買っています。でも、まだ使っていないビーズがたくさんあるのです。たとえば50円のものを毎日買っているとしても10日たてば500円にもなります。私だって毎日230円のビーズを買っていたら10日で2300円にもなってしまいます  だから、私は、ビーズなど、お金を使うときにはこの「座右の銘」を思い出して、お金のむだ使いをしないようにしようと思います。

 よく、意味を理解して書かれている作文です。色紙の字の味も感じられ、とても上手に仕上がっています。
 
 作品が完成したら廊下のボードにクラス全員の色紙を掲示しました。ちょうど参観日とかさなり、保護者の方々も興味深く見て頂くことができました。
 作品をちょっぴり紹介します。

zayuu

 こどもたちは、失敗が許されないので、真剣に書いていました。
 ちなみに、一番左は、私が書いたものです。 

コメント

すごいみんな上手だね~!
色紙とかってドキドキして書く時緊張しそう。座右の銘も字の大きさとかもすごい個性が出てそうで楽しそう!今相田みつお思い出した!

色紙にまとめましたか。子どもたち楽しそうですね。
良かったら、全紙(半紙の一番大きなサイズ)に書くというのも面白いですよ。

http://homepage.mac.com/ikedaosamu/kokugo/shosha/sekishotaikai/02sekisho.html

書道の問屋に頼めば、一人30円もしないでこの紙を手に入れる事ができます。時間があったらお試しください(^^)。

>おもさんへ
そう、この緊張感がなんともいえないのです。失敗は許されません。

>池田さんへ
書道の達人からのコメント、恐れ入ります。
怒られるかと思いました(^^)。楷書もまともに書けない子どもたちにこのような実践をしたらいけない!なんて。
全紙ですか。いいですねぇ。今度、機会があれば実践してみたいです。
書道、またの折りにご指導下さい。

いやあ、大丈夫ですよf(^^;。

学校の授業では書写を中心にやりますが、これは書道ですよね。書道もやったらいいと思うのです。

自分の言葉を自分の好きなように書く。その言葉にあった書風で書く。その言葉を書ききれる筆記用具で書く。

そういう経験から文字や言葉に対する関心が深まっていくのだと思います。私が指導した子どもたちも、でっかい紙に一回だけ書く経験で、
「うーん、気持ちよい」
と言っていましたよ。

是非、書き初めの時に挑戦して下さいませ(^^)。

そうですか。
書写と書道はちがうものなのか、と基本的なことが分かっていません。この辺、ちょっぴり教えていただけませんか?

簡単に言うと、書写は読みやすい字を書くための授業です。書道は、自分を文字で表すための営みです。私はそう理解しています。

だから、学校の授業では読みやすい字を書くために書き順、筆圧、形などを押さえながら練習をする訳です。ま、技術の部分ですね。

その一方で書道は、その技術プラス、アートが関わってくる訳です。

この辺りのことを書道家の石川九楊氏は次のように述べています。

(作品「歎異抄NO18」の解説文より)

引用開始 ーーーーーーーーーー

芸術表現は基本的に常軌を逸した職人芸に裏打ちされていなければならない。アルチザン(引用者注:職人)はアーティストでないかもしれないが、アーティストはアルチザンでなければならない。少なくともアルチザンの知る、制作上の微細な秘密に精通し、それを知悉していなければならない。

引用終了 ーーーーーーーーーー

書道は技術の上に成立しているはずなのですが、それを全く無視して授業で扱っていることが多く思われます。

私はこれは義務教育では良くないと思っています。ですが、年に数回、文字の魅力に自分を投げ出すという授業がないのも寂しいと思う訳です。

いかん、書道の事ですこし熱くなってしまいましたf(^^;。

京都はいま、山笑うという季語がぴったりの時期となっています。はははは。

いやぁ〜、勉強になります。

>私はこれは義務教育では良くないと思っています。ですが、年に数回、文字の魅力に自分を投げ出すという授業がないのも寂しいと思う訳です。

文字の魅力。
書くときの緊張感。書き上げたときの達成感。その文字の魅力。
子どもたちが、文字を書くという行為が好きになれば、小学校の書写の授業は成功だといつも思っています。
小学校教育では、どの科目とも、好きになる、興味を自分で持てる、そんな感じを子どもに持たせてあげれば成功だと思うんですね。技術ももちろん大切ですがね。

>小学校教育では、どの科目とも、好きになる、興味を自分で持てる、そんな感じを子どもに持たせてあげれば成功だと思うんですね。技術ももちろん大切ですがね。

そうですね。

今は京都に来てしまって、簡単に東京に戻れませんが、是非、戻った時は授業を見せて下さいね。小学校の事、もっと勉強したいと思っています。よろしくお願いいたします。

はい、はい。私の授業でよろしければ、いつでもどうぞ。
nimbusさんもいますよ。(今は学年は違いますが、教室は隣同士です。)

お待ちしております。

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