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2005年08月15日

俳句であそぼう

[作文実践]

【指導のねらい】
 俳句の一部を伏せ字にしたクイズ形式のゲームである。次の三つのねらいがある。
 (1) クイズの答えを考えながら、遊び感覚で俳句に慣れ親しむ。
 (2) 俳句の言葉を考えながら、創作者の立場を体験する。
 (3) みんなでいろいろな意見を出しながら、俳句を鑑賞し合う。

【ゲームのやり方】
 (1) 子どもの興味に合わせた俳句を人数分選び、一部を伏せ字にする。それらを一枚ずつカードに書く。
 (2) 一人一枚カードを配り、それぞれ伏せ字の部分を考える。
 (3) 考えた言葉を一人ずつ発表し、聞いている子たちは伏せ字の部分をメモする。そのとき、自分の考えも付け加える。
 (4) 考えが分かれたものについて、全体で話し合う。
 (5) すべての俳句の伏せ字について最終的な自分の答えを選ぶ。
 (6) 最後に正しい句を発表し、正解の数を競う。

■【授業のながれ】
1 五七五クイズをしよう(5分)
 教師は以下のカードを黒板に貼り、○に入る文字を考える。

 例  ○○○○の ラッパの中から 春が来る 

2 クイズの答えを考えよう(15分)
 教師は例題と同じようなカードを二人に一枚ずつ配る。さらに、解答用紙も配布し、3分間で答えを書かせる。時間になったところで二人で発表する。発表者には、以下の三つを注意する。
・カードを全員によく見せる。
・五七五のすべてを2回繰り返して読む。(一人)
・なぜその言葉にしたのか簡単な理由を言う。(一人)
 また、聞いている子たちは「友達の答え」と、それを聞いて思いついた「自分の答え」を解答用紙に書く。
3 クイズの答えを検討しよう(10分)
 黒板に全員分のカードが貼られ、子どもたちの発表した答えが書き添えられたところで、教師が問う。

 この中で「これはおかしい」と思うのはどれですか?

4 ゲームの勝敗を決定しよう(10分)
 残り10分になったところで、教師は話し合いを打ち切る。

 今までの意見を参考に、最終的な自分の答えを選びましょう。

 教師は俳句を伏せ字のままで次々に読み上げる。その間に、子どもたちは解答用紙のメモを見ながら、一つだけ「最後の答え」を選ぶ。全部の答えが書き終わったのを確認し、正解発表をする。


以下は、俳句と答えである。

(1) やきたての ○○○○みたいな 春の風(小4)
   (正解:クッキー)
(2) ささぶねに のせてみたいな ○○○○を(小1)
   (正解:ありさん)
(3) かしわもち 弟三つ 姉○○○(小5)
   (正解:一つ)
(4) 黒板に ○○○○いっぱい 終業式(小5)
   (正解:らくがき)
(5) ○○○○○○ たしかに母の はくしゅ聞く(小4)
   (正解:学芸会)
(6) ゆきだるま ○○○をつけて おともだち(小1)
   (正解:名まえ)
(7) どこみても ディズニーランド ○○の色(小3)
   (正解:春)
(8) のき先の ○○○バンドが ドレミファソ(小4)
   (正解:つらら)
(9) ○○○○が 「きをつけ」をして のびていく(小1)
   (正解:かいわれ)
(10) おりがみさん いま○○○○に してあげる(小2)
   (正解:ペンギン)
(11) せんこう花火 ○○○みたいに おちました(小3)
   (正解:なみだ)
(12) 朝つゆで ○○○が顔を あらってる(小2)
   (正解:トマト)
(13) 早口に なるよ○○○を 食べるとき(小4)
   (正解:すいか)
(14) ○○○○○ パクッとたべる 春の味(小4)
   (正解:さくらもち)
(15) 男の子 すみで小さく ○○○○○(小5)
   (正解:ひなまつり)
(16) 節分の おにはやさしい ○○○○○(小3)
   (正解:お父さん)
(17) いつもより みんなきれいだ ○○○○○(小5)
   (正解:七五三)
(18) お年玉 ふくろをあけて ○○○○○(小2)
   (正解:ありがとう)
(19) ○○○きた 先生のかお はずかしそう(小2)
   (正解:水ぎ)
(20) さんかん日 うしろにかあさん いい○○○(小1)
   (正解:におい)
(21) なつやすみ たいくつそうな ○○○○○(小3)
   (正解:ランドセル)

■伝言板
 この授業は佐内信之氏の「俳句のアニマシオン」学習ゲーム研究会HPの追試である。参照していただきたい。
 ただし、授業にあたっては、俳句の精選をし、分かりにくいものは省いた。
 追試した結果、原実践と同様な流れとなり、安定したゲームであることが分かった。