共感して読む
子どもは絵をかくのが好きです。
男の子は怪獣の絵、女の子は友だちの女の子の絵を、どんどんかいていきます。そこに、紙とえんぴつとがあれば、すぐにお絵かき が始まります。
でも作文を書くとなるとなかなか手を出しません。
絵と同じように、作文も子ども達が進んで書いてくれるようにするにはどうすればいいのでしょうか。
子どもが絵をかいてお母さんに見せてくれます。どんなに形がおかしくても、きっとお母さんはほめてくれます。決して、「ここの線のかき方がおかしいわよ」とか、「もっと、色を考えてかきなさい」などとは言いません。そんなことを言うと絵が嫌いになることを知っていますし、なによりその絵がとってもステキだからでしょう。
では、子どもが書いた作文はどうでしょう。
熱心なお母さんほど、全部を読まないうちから、もう「この漢字はもう習っているでしょ」「もっときれいな字は書けないの」と、言い出したらきりがありません。
なぜ、絵だとほめて、作文だといろいろと口を出してしまうのでしょうか。
もしかしたら、それは、大人たちが子ども達のステキな文章を読み取ることができないからなのかも知れません。
作文を書くのは絵をかくのと似ています。
絵をかく時、どこに何をかくかを決めます。
これは、作文の構成と同じです。
その場所にどんな色を着けるかを考えます。
これは文章を書く時にどんな文章表現にするかを考えるのに似ています。
さきほどのように、絵をかいた時、その絵を作文と同じようにお母さんに言われたら、きっとその子は絵をかかなくなってしまうでしょう。
でも、作文を絵と同じようにステキなところを見つけて上げてほめたらどうでしょうか。
子どもの作文を読むコツは共感してあげることです。
ちょっと事実が違っていたり、漢字が違っていたりしても、ここではしばし目をつぶります。読んだことを「へー、そうなんだ」「それはよかったね」などと、具体的に文章を指しながらほめてあげます。こうすることによって、子どもは「あ、作文を書いてよ
かったな」と思うようになるのです。
親が作文に書かれている内容と同じ体験をしているのであれば、その作文を使って、会話に花を咲かせることができます。そうすると、今度は、子どもの方から、書き足りないところを書き足すことも起きてくるかも知れません。
もし、漢字や字の間違いなどを指摘するのなら、十分共感し終えた後、「ここはこうだね」と軽く訂正をしてあげるだけでいいです。でも、本当はそのまま黙っていた方がいいかもしれません。
なぜなら、ここでは、子どもが「作文を書いてよかったな」と思うことが大切だからです。
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
┃ 子どもを作文好きにするポイント4 ┃
┃ きれいに書きなさいと言うのをひかえよう。 ┃
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★