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2005年08月15日

まねをしよう

[作文教室, 親子のための作文教室]

 何かを学ぶというのは、それをまねすることから始まります。
 スポーツの世界ではまねすることが当たり前になっています。
 例えば、柔道です。柔道には型があります。それが全ての基本です。
 背負い投げを覚えるには、まずその背負い投げの型を何千回、何万回繰り返し、体で覚えるのです。
 そうすると、試合の時、自然に体が動き、背負い投げができるようになるのです。
 学習も同じです。小学校で習うものは、これからの勉強を続けていくための型を学んでいるようなものです。
 だから、同じことをなんども繰り返してまねしながら、体で覚えていくのです。

 子どもの会話です。 
「先生、○○ちゃんが、ぼくがかいた絵をまねした。」
と不平を訴えてくる子がいます。教室でよくある場面です。

 こんな時、私は、こう子どもに答えてあげます。
「△▽くんがかいた絵がとってもじょうずだからだよ。へんな絵なんてまねしないでしょ。だから、もっともっと、○○ちゃんにまねをしてもらおうね。△▽くんは、絵の先生だね。」
「○○ちゃんは、△▽くんにありがとうをしておこうね。」
 
 でも、まねはいけないと思っている親も少なからずいます。
 個性がない、オリジナリティーが育たないなどと言うのです。でも、その心配はいりません。
 そう見えるのは、ごく初めの時だけです。
 しかし、その時こそ、子どもが一番学んでいる時です。
 しばらくすると、その絵の描き方が自分のものとなり、自分の中での工夫がみられるようになります。  
 だから、絵のうまい子のとなりにすわれたらしめたものです。はじめは、まったく同じ絵をかいて、つまらないと思われがちですが、しばらくすると、どんどん上手になって自分の世界で描くようになります。 
 さて、作文も同じです。上手な作文を読めば、作文はうまくなります。何度も読んでいると、その言い回しや、言葉づかいをまねするようになるからです。そして、知らずしらずの間に作文が上手に なってくるのです。
   読書好きな子の中には、作文が上手な子が多いと言われます。
 それはやはり、本の中の文章を体の中に取り込み、自然に自分の文章に取り入れているからでしょう。
 
 この作業をちょっと、意図的に行ってみます。
「くじらぐも」なかがわりえこ作(こくご 1年下 光村図書)からです。
『四じかんめのことです。
 一ねん二くみの子どもたちがたいそうをしていると、空に、大き なくじらぐもがあらわれました。』
 この文章をまねして作文を書いてみます。
 書き出しの言葉を数字だけ変えて、そのまま、まねします。
『○じかんめのことです。』
と書き出し、この文に続けて、作文していきます。これだけでも、 今まで自分が書いていた作文とはひと味違った作文に変わっていく はずです。

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    ┃  子どもを作文好きにするポイント3  ┃
    ┃   まねしたことをほめてあげよう。  ┃
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