構成を教える
■母の日礼拝の作文朗読
学校で母の日礼拝が行われた。
毎年恒例の行事である。
お母様方を迎え、礼拝をし、その後、1年生から6年生がお母様方に感謝する出し物をする。
5年生は、いつも作文朗読である。
今回、この作文朗読のための原稿をみんなに書いてもらった。
■構成を教えて書く
5年生の作文朗読は2名と決まっている。
持ち時間は10分である。出入りの時間を2分として、8分。一人、4分である。
4分の時間だと、原稿用紙3枚から4枚程度の規模の作文となる。
5年生のこの時期に書かせる量としては多い。
そこで、以下のように指導した。
1.構成を教える。
自由に書かせるというより、構成を教えることで、誰にでも書けるようにした。
2.構成ごとに細切れにして書く。
3.細切れにした作文をつなぐ文を考え、ひと固まりの作文にする。
構成は、次のようである。
1)簡単なお母さんの紹介。(2〜3行)
2)お母さんのおもしろいこと、失敗談などの紹介。(1枚目)
3)お母さんのすごいところ、いいところの紹介。(2枚目)
4)お母さんに感謝するところの紹介しまとめる。(3枚目)
おおざっぱにいって、これで3枚程度の作文が書けるようになる。
2)から4)に書けては、その題材を、番号作文で書かせ、その中から、自分でこれがいいなと思ったことを1つ選び、そのネタで書くように指導した。
■作文例
作文朗読に選ばれた児童の作文を紹介する。
ちょっとかわいいお母さん
私のお母さんは、おっちょこちょいでもあるし、すごいところもあるし、もちろん、感謝することもある、とってもすてきなお母さんです。
この前、私のお母さんは、ちょっとおっちょこちょいをした。それもいつもよくするものだ。
デパートで、お母さんと私が買い物をしていたら、よその子が、
「お母さ〜ん!」
と言って、自分のお母さんをさがしているのに、私のお母さんは、
「な〜に?こっちよ〜!」
と言ってしまった。
私はとっさに、
「S子は、ここにいるじゃん」と言った。
お母さんは「へ?」というように私の顔を見た。
私とお母さんは、二人で笑った。
なぜか、その時、とても気持ちがよかった。 私は「お母さんにも、こんな、かわいいところもあるんだな」と思った。
でも、私のお母さんは、おっちょこちょいばかりしているわけではない。
すごいところだって、もちろんある。
私のお母さんの料理は最高だ。
私の一日の夜の楽しみはもちろん夕食だ。
「ごはんよ〜!」
その声を聞くと、私は、一目散に飛んでいく。
「今日のごはんは何かな?」
うきうきしながらリビングへ行く。
「あ、今日は、カレーだ!」
おいしすぎて、おかわりをしないと気がすまない。
うちの家族は、みんなお母さんの料理が大好きである。
お父さんなんかは、「世界一」などと言っている。
なかでも特に大好きな料理は、
「あじの開きに、ほかほかごはんに、おみそしる」
私はよくお母さんに、「食べすぎ!」と言われてしまう。
こんなくいしんぼうな私だけれど、お母さんには、とっても感謝している。
私が病気の時は、いつも、私の好きな食べ物を買ってきてくれる。
「S子、何食べたい?ママ、今、買ってきてあげる」
と言って、買ってきてくれる。
「ありがとう」と私はその時思う。
また、かぜの時は、いつもいっしょに寝てくれる。お母さんに「どうして?」と聞くと、「もし、気持ちが悪くなったら、近くにいればすぐわかるでしょ」と、言ってくれた。
私はそんな、お母さんが大好きです。
いつまでも、かわいくて、元気いっぱいのお母さんでいてください。