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2005年08月15日

構成を教える

[作文実践]

■母の日礼拝の作文朗読
 学校で母の日礼拝が行われた。
 毎年恒例の行事である。
お母様方を迎え、礼拝をし、その後、1年生から6年生がお母様方に感謝する出し物をする。
5年生は、いつも作文朗読である。
 今回、この作文朗読のための原稿をみんなに書いてもらった。

■構成を教えて書く
 5年生の作文朗読は2名と決まっている。
 持ち時間は10分である。出入りの時間を2分として、8分。一人、4分である。
 4分の時間だと、原稿用紙3枚から4枚程度の規模の作文となる。
 5年生のこの時期に書かせる量としては多い。
 そこで、以下のように指導した。
 1.構成を教える。
 自由に書かせるというより、構成を教えることで、誰にでも書けるようにした。
 2.構成ごとに細切れにして書く。
 3.細切れにした作文をつなぐ文を考え、ひと固まりの作文にする。
 構成は、次のようである。

1)簡単なお母さんの紹介。(2〜3行)
2)お母さんのおもしろいこと、失敗談などの紹介。(1枚目)
3)お母さんのすごいところ、いいところの紹介。(2枚目)
4)お母さんに感謝するところの紹介しまとめる。(3枚目)

 おおざっぱにいって、これで3枚程度の作文が書けるようになる。
 2)から4)に書けては、その題材を、番号作文で書かせ、その中から、自分でこれがいいなと思ったことを1つ選び、そのネタで書くように指導した。

■作文例
 作文朗読に選ばれた児童の作文を紹介する。

ちょっとかわいいお母さん
 私のお母さんは、おっちょこちょいでもあるし、すごいところもあるし、もちろん、感謝することもある、とってもすてきなお母さんです。
 この前、私のお母さんは、ちょっとおっちょこちょいをした。それもいつもよくするものだ。
 デパートで、お母さんと私が買い物をしていたら、よその子が、
「お母さ〜ん!」
と言って、自分のお母さんをさがしているのに、私のお母さんは、
「な〜に?こっちよ〜!」
と言ってしまった。
 私はとっさに、
「S子は、ここにいるじゃん」と言った。
お母さんは「へ?」というように私の顔を見た。
私とお母さんは、二人で笑った。
なぜか、その時、とても気持ちがよかった。 私は「お母さんにも、こんな、かわいいところもあるんだな」と思った。
 
 でも、私のお母さんは、おっちょこちょいばかりしているわけではない。
 すごいところだって、もちろんある。
 私のお母さんの料理は最高だ。
 私の一日の夜の楽しみはもちろん夕食だ。
「ごはんよ〜!」
 その声を聞くと、私は、一目散に飛んでいく。
「今日のごはんは何かな?」
 うきうきしながらリビングへ行く。
「あ、今日は、カレーだ!」
 おいしすぎて、おかわりをしないと気がすまない。
 うちの家族は、みんなお母さんの料理が大好きである。
 お父さんなんかは、「世界一」などと言っている。
 なかでも特に大好きな料理は、
「あじの開きに、ほかほかごはんに、おみそしる」
 私はよくお母さんに、「食べすぎ!」と言われてしまう。
 
こんなくいしんぼうな私だけれど、お母さんには、とっても感謝している。
 
 私が病気の時は、いつも、私の好きな食べ物を買ってきてくれる。
「S子、何食べたい?ママ、今、買ってきてあげる」
と言って、買ってきてくれる。
「ありがとう」と私はその時思う。
 また、かぜの時は、いつもいっしょに寝てくれる。お母さんに「どうして?」と聞くと、「もし、気持ちが悪くなったら、近くにいればすぐわかるでしょ」と、言ってくれた。
 私はそんな、お母さんが大好きです。
 いつまでも、かわいくて、元気いっぱいのお母さんでいてください。