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2006年08月15日

授業づくりネットワーク2006in大阪

[授業づくりネットワーク]

 8月10日から11日にかけて、この夏唯一の研修会兼旅行の授業づくりネットワーク夏集会に参加した。
 開会セレモニーで代表の上條さんが言った言葉が印象的だった。
 学級崩壊と騒がれる中、教師はそのクラスにあわせた授業タイプが必要になる(と言う文脈で…)
 学級経営をやる上で、
「一番きついのは、自分を変えることです。」
 今まで培ってきた自分のタイプを変えること、その時の状況に応じて、自分の授業形態を変えること。歳をとってくればくるほど、確かにきつくなるだろう。

 以下、簡単な感想。

8月10日(1日目)
 
■模擬授業「活動中心の授業で学力を育てる」
 授業者 佐内信之 「俳句クイズで遊ぼう」
 この授業は、この数年来佐内さんのこだわってきた授業の中の一つ。何度か見たことがあるし、私も追試させてもらった覚えがある。
 で、今回の感想。クイズのネーミングはいかがか。検討会でも取り上げられていたが、「クイズ→正解がある」というイメージがある。
 でも、答えは何でも自分でいいと思えばいいじゃ、納得がいかない。
 また、
「風りんが ○○○に見える この暑さ」
 で「氷」を当てはめた場合、どうも、しっくり来ない。
 この暑さを強調するためには、「風りん」→涼しい でも、その涼しさを感じさせる物までも暑さを感じさせるものに見えなくてはならないと思うのだ。ぼくはここでは、ほのお(炎)としたのだか、正解は「くらげ」だった。
 このような穴埋めクイズは、なんでも答えをはめればいいというものではなく、その正答にそった方向性に向かって考えなくてはならない。
 だから、ただ、発表させて、「いいね〜」だけでなく、その当てはめた言葉の吟味を(少なくとも文脈にあっているかどうか)をしなくてはならない。
 「○○○○を ふんで見つけた 冬の音」(11歳)
を「ひまわりを ふんで見つけた 冬の音」
としたらやっぱりだめだろう。極端かもしれないが、子どもって、こういうクイズを出すと結構こういう答えをするもんですよ。

提案パネル 「子どもを『見る目』の鍛え方
 メイン講師 野口芳宏 実践提案 赤坂慎二 青山新吾 僕
 実践提案を全く無視して野口節を披露した野口先生だった…。あたし達3人って一体………。

■ミニネタ徹底研究
 今、話題のミニネタ 講師は土作さん。
 う〜ん。どうも、このノリには引いてしまう。
 コメンテーターの古川さんがいい。1時間の授業を分割して行うという。でも、これって、僕は、新任以来結構やってきた技だと思う。
 
■ミニネタ徹底研究2
 学習ゲームと国語に参加。
 学習ゲーム→青年塾生が頑張ってやっていた。彼らも、もうネットワークの仲間なんだなぁと妙に感心した。
 国語→クイズ

Mintyoutai は何画か?ちょっと考えて「5画」。でも、正解は「4画」だった。
Kyoukasyo-1 こう書いてくれれば、4画と答えたのに。
でも、どうも納得がいかない。「比」が4画であるということは、納得する。でも、明朝体を書くとき、どうやって4画で書くのかを教えてもらいたい。(ちょっと、ごねモード)
で、思ったんだけど、クイズの授業はやっぱり、きちんとした正解がないとだめだなぁっと。つまり、納得できる正解があって初めて成立するんじゃないかって。面白ければ面白いほど、その正解を考えるために頭を使う。でもそのクイズの正解がちょっと納得がいかないものであったら。
僕なんか、腹が立つんですね。

 俳句の授業でも、いくら「自分が考えてしっくりくればいい」と言われても、やっぱり元の句があり、それを○でくりぬいているんだから、その○を当てたくなってくる。
 「○○○○を ふんで見つけた 冬の音」(11歳)
とあれば、11歳からして、小学校高学年。季節は冬。普通だったら「霜(しも」もしくは「霜柱(しもばしら)」でも字数が合わない。
何を踏むと冬の音がするんだろう。とかんがえて、霜柱に決めつけて、
「校庭」「往き道」などと考える。
 で、正解は、「かれ草」
 見事に撃沈!

■ネットワークパーティー
 夜、恒例のネットワークパーティーに参加。
 懐かしい人とお会いできてうれしい。野田さん、吉永さん、二杉さん…。
 その後、石川さんたちと二次会へ。
 最後は、中村さん、佐内さん、石川さんといっしょにホテルで夜中まで飲みながらおしゃべり。
 「いや〜、ネットワークっていいもんですね。」

8月11日(2日目)
■朝から講座を一つ受け持つ。ここのところ定番の「授業感想文の書かせ方・活かし方」
 このワークショップはこれで3回目。だいぶ慣れてきた。
 残念なことに、出席者が6名ということで、ちょっと寂しい。でも、その分、一人ひとりの発表も時間をかけて行うことができた。
 やっぱり、初めての参加者はネットワーク定番の「授業感想文」といってもピンと来ないのかもしれない。昨日の提案パネルでもう少し宣伝が出来ればもっとよかったのかもしれない。
 3回目にして思うに、このワークショップは自分で言うのも何だが、結構いけている。参加者の反応も安定していると思う。
 
■パネルディスカッション 「学級崩壊の処方箋」 岩下修 赤坂真二 池田修 野中信行 司会・石川晋
 久しぶりに、池田節を聴いた。いつもながら、いいんだなこれが。
 ・赤坂さんの「ふわふわ言葉とチクチク言葉」の実践は早速やってみようと思っている。
 赤坂さんの話はどれも魅力的で、思わず本も買ってしまった。この本のタイトルがまた、魅力的だ。

"小学校高学年女子の指導困ったときの処方箋" (赤坂 真二)

 ・岩下さん 子どもに返事をさせることを指導する。 今まで、挨拶は結構、力を入れてやってきたけれど、今度は返事か。なるほどなと思い、これも9月から意識的に行っていきたい。
 ・池田さん 教師と生徒は違うことを教える。ため口を聴かさない。(池田さんの持論です。)子ども達に意図的な成功体験をさせよう。

■帰り道
 佐内さんとあべたかさんといっしょに新幹線で帰る。
 あべたかさんとはもっとたくさんお話をしたかったけれど、そばにいるだけで楽しい。
 佐内さんとはネットワークの青年塾のお誘いを受ける。前向きに検討していきたい。

 最後に、ネットワークの運営に携わっていただいた全ての人に感謝します。また、来年!

 

コメント

 いけちさん、こんにちは。
 山口県の中村健一です。

 さっそく読ませていただきました。いけち節が炸裂ですね!
 とっても面白いので、これからもちょくちょく読ませていただきます。

 ちなみに、こんな書き込みまでできるようになりました!すごいでしょ!?
 私のメール開通・初メールもいけちさんからいただいたのを思い出します。

 これからも、いろいろ教えてください。

                  中村 健一

追伸・古川さんの授業分割法を新任からやってきたって?私の興味関心に合わせて、ぜひ詳しくお聞きしたい事柄です。
 野口さんへのコメントも最高!口に出して言えた人は少ないですが・・・。さすが!!

中村さん、こんにちは。
ここでは、お初にお目にかかりますね。今後ともよろしくお願いします。そうそう、ここでは、わたしは、「いけち」で通っていますので、コメント書き換えておきました。あしからず。
まぁ、こんなblogでもお楽しみいただければうれしいです。ネットワークの人達は結構こういうblogで遊んでいますよ。トップページの左のリンクを追ってみてください。
さて、授業分割法ですが、たしか、かつて杉渕さんがネットワークに連載をしていたときにこのような方法をとられていたと思います。僕はそれを当時はみようみまねでやっていたんですね。
今でも、算数では、1時間の授業を分割して行っています。
例えば、
1.計算ドリル
2.その日の学習
3.ワーク
4.プリント
って感じです。
リズムよく、流していくのがコツです。

ひさしぶりに覗いたらブログ復活していたのね。池田節ですf(^^;。

折角のネットワークだったのですが、聖蹟桜ヶ丘の家の片付けや最後の花火大会があって、初日の夜には参加できませんでした。

京都・滋賀も住み出すと快適で、自分が東京中心主義であったことも気づいたりして、面白いものです。

また、楽しく飲めることを期待しています。では。

池田さん。
大阪の時は、ゆっくりとお話も出来なく残念でした。
今度、機会があったら大学でのことやら、なんやらをいろいろとお伺いしたいと思っています。
昔、へべれけになるまで飲んでいたことを思い出すと懐かしいです。

いけちさん、こんにちは。佐内です。

実はblogなるものにコメントするのは初めてです。ちょっと緊張します。10年以上前niftyに投稿したときを思い出します。いけちさんとの出会いも、それ以来ですね。

さて、大阪では大変お世話になりました。いけちさんをはじめ、いろいろな方と語り合ったのが楽しかったです。ネットワーク集会の良さだなぁと思います。

そのときも話題になった「クイズ→正解がある」について、いろいろ考えています。現時点での結論を言うと、俳句の授業は「クイズ」ではなく「パズル」と考えるべきなのかなと思っています。正解を当てるクイズではなく、試行錯誤するパズルと考えると、俳句の授業で私がやりたいと思っている内容が伝わりやすいかなと思います。「俳句クイズで遊ぼう」というネーミングも、その方向で考え直してみたいです。

以下、少し長くなりますが『はじめの5分が決め手 授業導入ミニゲーム集』(学事出版)から、拙稿の関係箇所を引用しておきます。
http://www.gakuji.co.jp/book/4-7619-0701-0.html
(↑このアドレスで赤坂さんの本のようにリンクさせることはできるのかしら?)

******************************
第3節 フレームゲーム発掘法

■クイズ・パズル・ゲームの整理
 少し大きな書店の教育書コーナーには、クイズ・パズル・ゲーム関連の書籍が数え切れないほど並んでいる。
 しかし、三つの用語の違いを意識しているものは少ない。子どもの喜びそうなクイズ・パズル・ゲームを雑然と取り上げたものの方が圧倒的に多いのである。
 もちろん、すべてのクイズ・パズル・ゲームを系統的に整然と分類できるはずはない。それにしても、ある程度の整理はできないのだろうか。
 そこでまず、それぞれの用語を辞書で調べてみる。

 クイズ=なぞ。あてもの。
 パズル=考えもの。なぞ。
 ゲーム=勝負事。遊び。競技。試合。(『岩波国語辞典 第五版』)

 また、算数教育の坪田耕三氏が以下の整理を行っている。

  パズルは試行錯誤のおもしろさ、クイズは当たりはずれのおもしろさ、ゲームは競争 おもしろさを含んでいる。このおもしろさを算数の授業に使わない手はない。必ず子どもがのってくる。
 (坪田耕三編『授業がおもしろくなる授業のネタ 算数4 ゲーム編』日本書籍 11頁)

 これらを参考にしながら、クイズ・パズル・ゲームの違いを以下のように整理する。

 ・クイズ→問いに対する答えを当てて遊ぶ。
 ・パズル→組み合わせを考え試行錯誤しながら遊ぶ。
 ・ゲーム→二つ以上に分かれて勝ち負けを競って遊ぶ。

 2 学習ゲーム3分類
 これらクイズ・パズル・ゲームの違いを意識して、「学習ゲーム3分類」を提案する。

 ・クイズ型ゲーム→正解を当てた数を競う。おもにポイントで勝負する。
 ・パズル型ゲーム→試行錯誤の過程を競う。おもにアイデアで勝負する。
 ・レース型ゲーム→課題解決の時間を競う。おもにスピードで勝負する。

 学習ゲームの「ゲーム」には「勝ち負け」「競争」の要素が含まれる。(上條晴夫『「勉強嫌い」をなくす学習ゲーム入門』学事出版 155頁)しかし当然ながら、それらの要素の質や強弱は個々のゲームによって異なる。
 そこで、「クイズ」「パズル」という質の違いでまとめられるゲームを、それぞれ「クイズ型ゲーム」「パズル型ゲーム」とする。そして、競争の要素が特に強いゲームを「レース型ゲーム」と捉え直すのである。

佐内さん、ここでは、お初ですね。ありがとうございます。
blog初書き込み、おめでとうございます。
クイズからパズルへ。なるほどなと思いました。
クイズは正解が1つですけれど、パズルは幾通りの正解があってもいいですものね。
あとは、その出てきてきた答えの吟味ですね。
これって、結構大切なことだと思います。

※リンクは、アドレスをそのまま入力してくれれば自動的にリンクが張られる設定にしています。佐内さんのように書いていただけるとそのままリンクが張れるようになります。

では。また。

遅れてコメントです。

佐内さんの初のブログ書き込みに立ち会い、感激を隠せないわたしです(笑)。
佐内さんが、ブログを始めたら、カッチカッチの理論的なブログエントリが続きそうですねぇ……。
期待しています。>佐内さん。

実は、イケチさんの、お世辞とはわかっていますが、

> 佐内さんとあべたかさんといっしょに新幹線で帰る。
> あべたかさんとはもっとたくさんお話をしたかったけれど、そばにいるだけで楽しい。

にずっと感激していたわたしです。
そんなこと言われることが希なので。
自分は、他の方々と違って、話題が少なく、あっても、それが一般的なものではないので、どうも話すときは他の方が話していることをニヤニヤして聞いているだけ……ということがほとんどです。
何人かの方を除いては。
その何人かのお一人がイケチさんでして……。
インターネット等がなければ知り合いにはなれても、友人にまではなれなかったであろうことを考えると、本当にインターネットに感謝しています。

>佐内さんが、ブログを始めたら、カッチカッチの理論的なブログエントリが続きそうですねぇ……。
御意!

あべたかさんのコメント、そのまま僕のことを言っているみたいですね。
僕もどちらかというと、話題が、「話題が少なく、あっても、それが一般的なものではない」のです。

そんな僕に付き合ってくださっているのが、あべたかさんであり、しばらくネットワークから離れているnimbusさんです。(久しぶりにコメントを付けてくれました。)

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